インタビュー1 tenbo(テンボ)

テンボデザイン事務所 鶴田能史 様

愛らしいドクロマークの“ヨミちゃん”が印象的な

ファッションブランド"tenbo"。2015年、東京コレクションデビューを飾った注目の同ブランドが、どのような経緯でいろポチを知り、なぜ採用に至ったのか。テンボデザイン事務所の代表であり、ファッションデザイナーである鶴田さんにお話を伺いました。


いろポチを知ったきっかけを教えてください。

東京コレクションデビューにあたり、「点字」を使ったファッションを発表したいと考えていました。誰もが知っているユニバーサルなイメージのアイコンを使うことで、私たちのブランドのコンセプトが多くの方に伝わりやすいと思ったのです。2014年12月号の朝日新聞にてすでにいろポチの存在は知っていましたが、インターネット経由で佐川先生の活動とあわせて、改めて内容を知り、「これだ!」と確信しました。世の中すべての人へ向けたファッション(=ピープルデザイン)を掲げる当社のコンセプトとまさにぴったりだったのです。ブランド立ち上げとほぼ同タイミングでいろポチと出会えたことは、何か縁みたいなものを感じましたね。

ユーザーからの反応はいかがですか。

私どもが手がける服すべてに、いろポチを採用させていただいています。商品を提案する際にも必ずいろポチの紹介をするのですが、皆さんまず第一声で「見た目がかわいい」「面白い」などの反応がありますよ。意外だったのは、一般の方のほうが強い興味を抱いている点です。視覚障がい者向けに開発された商品として一見矛盾しているようですが、社会的な普及をめざすという目的においては、まず一般に周知させることが第一ステップのはず。そのような点では、非常に納得のいく反応ではないでしょうか。

今後の展望、いろポチの可能性などを教えてください。

私たちが取り組んでいる“ピープルデザイン(ユニバーサルデザイン)”と言った内容は、正しい理解のもと社会的な浸透がされきれていないというのが現状です。だからこそ、そのような取り組みに共感・協賛いただける団体や企業など、横とのつながりがとても大切になってきます。特にいろポチのような洋服に附属する商材は、商品単体で売られているものよりもアピールが難しい。やはり洋服と一緒にアプローチすることが効果的だと思います。私たちアパレル側がもっと積極的に発信していかなくてはなりませんし、それが使命だと考えます。いろポチが、「当たり前にそこにある」社会を一緒にめざしていきたいですね。

左よりプレス担当の西尾さん、代表の鶴田さん、デザイナーの岩崎さん。

マンションの一室にある事務所。メンバーも若手でわきあいあい和気あいあいとした雰囲気です。


■テンボデザイン事務所

2014年設立。2015年3月に東京コレクションデビュー。ピープルデザインをテーマに、すべての人に向けたファッションを展開。